『公明、連立政権に区切り』から思うこと。
- 西村りく

- 10月13日
- 読了時間: 7分
10日、公明党は26年間続いてきた自公連立政権を一旦白紙とし、これまでの関係に区切りをつけることを表明しました。
与党として責任ある政治を進める立場を今後も継続するにあたり、その前提となる基本姿勢、特に「政治とカネ」に関わる点について、その考え方と具体的な提案をもって継続的、段階的に求めてきたものの合意に至らなかったことが理由です。

今回の内容については、記者会見やマスコミ報道などで既に皆さまもご存知と思いますが、私の視点での主なポイントは、
◎「政治とカネ」についてはずっと言い続けてきた
◎参院選後に、衆院選〜都議選〜参院選まで含めて大きく細かく総括を行なった上で、全国の党員・支持者の声を聞き、その総意として出した結論
(上層部で議論しただけでのものではない)
◎全議員という点では賛否は分かれた(政策実現のため連立は必要など)
◎国政を停滞させるわけにはいかないので期限を決めて結論を出した
◎自民党とは対立するのではなく、他党と同様一定の距離を保ちつつ、誰のための政治なのかを見失わず、中道改革の姿勢で臨む
◎野党の立場にあっても現実的に進めるべき政策は財源も含めて責任を持って前に進める
◎選挙協力はしない(地方・地域の実情に合わせて検討)
◎長年パートナーとして共に歩んできた自民党に対する感謝・リスペクト
こういったところでしょうか。

そして何より、斉藤鉄夫代表の記者会見の内容とそのお人柄から、今まで以上に公明党らしさが私には伝わってきました。
◎公明党チャンネル
2025/10/10 斉藤代表記者会見
(映像開始から27分20秒後に会見スタート)
また、「多党化の時代」との斉藤代表の言葉から、従来の自公連立のような形での安定した政権運営は極めて難しい時代に入ったのだと率直に感じたところです。
悲観的な見方も散見されますが、政治の世界にもイノベーションは必要。
新たな発想や合意形成の形が生まれてくることを期待します。
一方で、各党が協力して政策ごとに連携し、常に前に進められれば良いですが、テーマによっては今までよりも決めるまでに必要以上に時間がかかってしまうなど懸念もあります。
決裂して止まってしまうなどということがないよう求めます。
さて、府中市ではどうでしょうか。
地方議会も国の対応に右へ習え、というわけではありません。
国は国、都は都、府中市は府中市です。
市政を安定的かつ前に進め、市民の皆さまが安心して生活できる状態をしっかり維持することを常に中心に置いてこれからも取り組んでまいります。
※10月12日追加
◎公明党サブチャンネル
【緊急】公明党斉藤代表が“連立離脱の真相”をすべて激白!

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10日の記者会見での斉藤代表の冒頭発言と質疑の要旨
#公明新聞電子版 2025年10月11日付
公明、連立政権に区切り
政治とカネ 自民の回答は不十分
「清潔政治」の党是貫く
党首会談で斉藤代表、自民・高市総裁に伝える
自民党の高市早苗総裁と公明党の斉藤鉄夫代表は10日午後、国会内で2回目の政策協議を行った。
その後、国会内で開かれた記者会見で斉藤代表は、公明党が自民党に求めていた「政治とカネ」を巡る問題への対応について「私たちの要望に対して明確かつ具体的な協力が得られなかった」と説明。
その上で「自公連立政権は、いったん白紙とし、これまでの関係に区切りを付けることとしたい」と表明した。
公明党は9日夜、東京都新宿区の党本部で中央幹事会を開き、今後の政策協議の対応を斉藤代表、西田実仁幹事長に一任していた。
ー、今回、政策協議に臨むに当たり、三つの懸念事項を申し上げた。
そのうち二つは高市総裁から丁寧な説明もあり、認識を共有できた。
しかしながら私たちが最も重視した「政治とカネ」に関する基本姿勢について意見の相違があった。
ー、自民党派閥の政治資金問題により、国民の政治全体への信頼が大きく損なわれている。
国民の根強い不信が解消されず、信頼回復には、ほど遠い状況だ。
わが党としても参院選後、全国を回り、多くの党員、支持者から政治改革への取り組みが強く求められた。
ゆえに、自民党と改めて連立を組むなら、これまでには、なし得なかった具体的な行動がなければならないとの決意の下で政策協議に臨んだ。
一、政策協議では、新総裁に対しても政治改革の取り組みを期待し、公明党が国民民主党と共に主張している企業・団体献金の受け手を党本部と都道府県組織に絞るという規制強化の実現を求めた。
しかしながら、自民党の回答は、基本的には「これから検討する」という誠に不十分なもので極めて残念だ。
ー、自民党派閥の政治資金問題の全容解明やけじめが望まれる。
「すでに決着済み」とする姿勢は国民の感情とかけ離れており、これでは政治への信頼回復はおぼつかないと考える。
「政治とカネ」に対する取り組みは、公明党の”一丁目一番地”だ。
「クリーンな政治」を党是とするわが党として、何としても断行するべきものと考える。
ー、総裁からは一定の改革姿勢が見られ、決意も聞いた。
しかし時間が迫る中、われわれの要望に対して明確かつ具体的な協力が得られず、改革が実現不可能であれば、とても首相指名で「高市早苗」と書くことはできないと申し上げた。
ー、これまでの継続性の観点から、何でも反対の敵方になるわけではない。
わが党にも責任がある
これまで準備してきた予算案や法案など政策ごとに賛成すべきものは賛成していく。
ー、国政選挙における党同士の協力は、いったん白紙にする。
それでも、人物本位、政策本位で応援できる地域も少なくないと思う。
わが党が擁立する果院小選挙区候補に対する自民党からの推薦は求めない。
わが党から自民党候補への推薦も行わない。
ー、最後に高市総裁と鈴木俊一幹事長には、これまでの自公関係に心からの感謝を申し上げ、握手し、そして「お互いに頑張りましょう」と申し上げて別れた。
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(記者会見での質疑)
公明党らしさ不断に追求
政策実現、他党と連携し推進
Q)今回の結果の受け止めは。
斉藤代表:「政治とカネ」の問題が起こり、衆院選、都議選、参院選と、与党に対して大変厳しい国民の審判が下された。
国民から突き付けられた政治への信頼回復という課題を、どう自公で乗り越えていくかということで自民党に提案させていただいたが、明確な答えがなかったということで大変、残念だ。
これからも決して敵対するわけではない。これまで26年間、自公連立で積み上げてきた信頼関係をベースに、連立政権の仲間という関係はなくなるが、一緒にやっていこうというのは、お互い申し上げた。
Q)政治資金問題は以前からあったが、なぜこのタイミングなのか。
西田幹事長:政治とカネの問題は、何度も「こういう案でまとめよう」とやってきたが、結果を出せなかったというのが、この1年余りの結末だ。政策を実現する基盤となる信頼が得られなければ国民の期待に応えていけない。新しい政権をつくる時には、これまでにない対応で決着をつけようではないかということで、厳しい提案をした。
高市早苗総裁の時に急に起きてきた問題を取り上げたわけではない。これまでもずっと自民党に対して求めてきたことについて、今ここで決着をつけようということで具体的に申し上げてきた。
これに対して残念ながら十分な回答がなかったということで、連立政権は、いったん白紙にするという決断をした。
Q)なぜ協議を継続せず、連立離脱に踏み切ったのか。
西田:政策協議が長引いてしまうと、国民生活に大きく影響を与え、国会日程に悪い影響を与えてしまうことを危惧した。私たちも、急に何か言い出したわけではない。具体的な懸念が解消されなければ連立を維持することはできないと申し上げてきた。回答をいただく期限として、協議をずっと行っているわけにはいかないので、きょう決断した。
首相指名「斉藤鉄夫」明記へ
Q)首相指名について他党からの協力要請に応じるか。
斉藤:首相指名では「斉藤鉄夫」と書く。
Q)多党化の時代に入り今後も連立政権か、または政策ごとの協力が望ましいか。
斉藤:基本的に連立を組むことによって、過半数を占める勢力を持つ政党が政権を運営することで一定の安定性、一貫性を保ち、一つの効果があったと評価はしている。
今回、その枠組みから離れるわけで、ある意味で自由な提案ができ、他党との連携の中で政策を実現していく。新しい政治をめざしていきたい。
Q)原点に立ち返って判断したと思うが。
西田:今後の党の方向性として、中道改革の勢力の軸になると申し上げてきた。そうした公明党らしさをしっかりと追求していきたい。
以上







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